東京訴訟第2回期日のご報告
平成30年10月18日,東京訴訟の第2回期日が開かれました。
1.弁論の更新
裁判長が9月10日付で交代になったため,弁論の更新が行われました。
2.準備書面の陳述
被告は10月18日付準備書面を陳述,原告は10月16日付第一準備書面を陳述しました。陳述というのは,事実上事前に提出していた書面を,正式に裁判の場に出すということです。本来なら全部読み上げるべきなのでしょうが,全部読んでいるとものすごく時間がかかるので,省略して,「陳述します」と言うことで,事前に出しておいた書面の通り読み上げたことにするのです。
この日,被告国は,準備書面において,①平成17年の最高裁判決の枠組みを前提として,国会議員に立法不作為の違法はない,②更生労働大臣が権限を行使しなかったことについても国賠法上の違法はない(国賠法があったのだから,別途法案を提出したりする義務はなかった),③仮に原告に損害賠償請求権があったとしても,20年の除斥期間が経過している,という主張をしました。
原告は,これに対して,あらためて,国に立法不作為の違法があること,除斥期間が適用されるべき事案ではないことを準備書面で反論しました。その前提として,優生思想に基づく強制不妊手術がいかに重大な人権侵害であるのか,国が何十年も被害回復を講じようとせず放置してきたことがいかに無責任なことであるのか,国賠法による請求が事実上無理であったこと,優生手術による被害は金銭賠償だけでは回復されないことなどについても述べました。
3.証拠関係
証拠関係では,原告からの証拠は全て写しで提出,被告からの証拠は全て写しで提出され,証拠調べが行われました。
4.意見陳述
その後,原告代理人岡崎弁護士から意見陳述があり,これは調書に添付されました。
最初の方にも書いたとおり,準備書面の中身については読み上げられないので,裁判でどういう主張の応酬がなされているのか,傍聴人にはわかりません。そのため,原告は,準備書面の内容を簡潔にわかりやすくしたものを読み上げるようにしています。これが,意見陳述です。これは,傍聴人にみなさんへの説明であると同時に,裁判所に向けたメッセージでもあります。
(傍聴できなかった方のために,その後の集会で再現していますので,ぜひ聞きに来てください。)
5.次回期日
次回期日は,12月20日木曜午後2時,103号法廷です。
6.期日前の様子
入庁前行動に集まってくださったみなさん。がんばるぞー,おー!