東京訴訟第1回期日のご報告
本日平成30年8月6日,東京地裁第103号法廷で,東京優生訴訟の第1回口頭弁論期日が行われました。
訴訟提起の日は,自分たちで写真を撮れなかったので,今回は報道陣に混じって頑張って入庁行動の写真を撮ってきました。(報道陣の写真を使わせてもらおうとすると,ものすごく高額な料金がかかるのです…)
弁護団と支援者の皆さんが裁判所の門を入っていった後,報道陣が横並びになり,一斉に上を向いて裁判所の建物を撮っていました。ニュースでお約束のカットなんですね,きっと。
余談はさておき,法廷での手続きとしては,①訴状の陳述,②答弁書の陳述,③証拠調べ,④原告代理人高辻弁護士の意見陳述,⑤原告北さんの意見陳述が行われました。
裁判に先立ち,裁判長から,障害がある人もない人も等しく裁判を傍聴してもらえるよう裁判所が様々な配慮をしていること,傍聴人のみなさんも理解・協力してほしいことなどの説明がありました。裁判所は,弁護団と事前協議の機会を持ち,車椅子の方のために椅子席を6つ外してスペースを確保したり,介助が必要な必要な方のために介助者席を確保したりしてくれました。そのせいで,結果として空席が出来てしまいましたが,抽選結果に左右される部分でもあり,難しいところです。
原告代理人の意見陳述は最初,弁護士によくありがちな難しい言葉で書かれていたのですが,直前になって,「わかりやすい簡単な言葉に直そうよ!」ということになって,午前中みんなで必死になって直しました。(そのせいで13時の入庁行動に弁護士がみんな遅刻しました,すみません。少しでもわかりやすいと思ってくれた方がいらっしゃると嬉しいです…)
原告の意見陳述では,北さんが,証言台の前に立って,裁判官に対し,力強く自分の気持ちを訴えかけました。北さんの気持ちがひしひしと伝わってきて,傍聴席から拍手が起こらなかったのが不思議なくらいでした。(スタンディングオベーションは怒られると思うけれど,小さな拍手くらいならいいと思うんです,あくまで個人的意見ですけど。)
ところで,手続きの順番は前後しますが,被告の答弁書について少し触れておきたいと思います。
被告国の答弁書は,「請求棄却を求める,被告の主張は追って明らかにする」といった形式的なものでした。仙台訴訟では既に期日が重ねられ,国も実質的な主張をしています。そして,仙台訴訟と東京訴訟では,共通する争点も多く,実質的な反論をすることができたはずです。それにもかかわらず,国は形式的な答弁書で期日を空費しました。
通常の民事裁判はだいたい1か月に1度期日が開かれますが,この東京優生訴訟では,被告の希望により約2か月に1度のペースで期日が設定されています。次回の期日は,10月18日です。ここで被告国の反論を聞いて,その次の期日の12月20日に原告の再反論をするとすると,それだけでもう訴訟提起から7か月。このままでは,裁判が終わるまで何年もかかってしまいます。しかし,原告北さんの年齢を考えても,ゆっくりしている時間はありません。そこで,原告代理人は,事前に上申書で,また,今日の期日においても口頭で,国にできるだけ迅速な反論を求めました。そして,被告国が早めに反論を出してくれれば,原告側も次回期日にある程度再反論ができるよう準備するということも併せて伝えました。次回の期日には期待したいところです。
余談ですが,期日後の集会の案内チラシ(地図つき,休憩場所案内つき)を,傍聴整理券の抽選に並んでる皆様に配ろうと用意していたのですが,裁判所構内はチラシ配り禁止でお渡しできませんでした…。裏に集会の式次第を印刷してあったため,会場で式次第としてお配りしたので無駄にはならなかったのですが,ちょっと残念…。次回は,入庁行動の前にお配りできたらと思っています。
どうか皆さま,次回期日も応援よろしくお願いいたします!
次回期日:平成30年10月18日(木) 14時 第103号法廷
次々回期日:平成30年12月20日(木) 14時 第103号法廷
(いずれも,13時から入庁行動予定です。)